猫好きと猫捨ては裏表の関係にあるように思えてならない。
私の母は二人いた。実母と養母である。
二人ともそれぞれに、猫好きだったけど、似たような人猫関係だったと思う。
二人とも猫語を巧みに操った。猫語とは、簡単に言えばおおむね赤ちゃん言葉である。実母が可愛がっていたのは、エマというシャム猫で、グルメの母の影響でコーギーみたいに太っていた。エマちゃん、が、可愛さ余って、イマちんになっていて、餌の時間になると、相撲部屋から現れる力士のようなイマちんがドスドス現れるのが可愛かった。
養母は、乱暴者のアメショーを飼っており、ペックという名前だったけど、ペッちゃん、になって、同じく可愛さ余って、呼ぶときは、2オクターブ声が裏返っており、ヒーッ ペッちゃん、と呼ぶ。
微笑ましい人猫関係でしたが、それぞれ、実母は官舎から出なければならず、また、養母は夫の長期入院で世話ができない、と言って、実母は実家に放り出し、養母は入院前に安楽死させると言い出し、なんとも、あっさり残酷なことを申します。
好きが高じて、二人とも愛するがゆえの結論だったのですが、イマちんは田舎でしばらく生きて、ペッちゃんは、入院前に病死して事なきを得たのでしたが、どうなんでしょうか。
もし、二匹が人の子ならそんなことにはならないはずですよね。
命は等価だと、私は思います。
しっかり最後の最後まで見守る必要があるのではありませんか?
猫でちゃんと練習しておかないと、自分の子供を虐待したり、自分の親をいびり出したりするのですよ、きっと。
石屋まーく